2回にわたっておやつについてお話ししてきました。今回は、実はおやつ以上に大切な飲み物についてです。
日常的にどのような飲み物を飲むかというのは、まさに小さな頃から培われる習慣そのものです。
まずは赤ちゃん期までさかのぼっていきましょう。
離乳前に果汁を与えることが推奨されなくなったことを、ご存知でしょうか?
赤ちゃんに甘い果汁を与えることで、ミルクの量が減ってしまうばかりではなく、大きくなってからも果汁を過剰に摂取する傾向にあったり、低栄養や発育障害との関連も指摘されています。
厚生労働省の資料においても、「栄養学的な意義は認められていない」と記載されていますので、赤ちゃんに甘い飲み物を与えないように注意しましょう。
(つい最近まで果汁、果汁と指導されていたのに‥と思いますよね。科学的に正しいとされることは日々更新されていきます。迷った時には、公的な機関から発表されている新しい情報を参考にすると安心です。)
哺乳瓶やマグからはチョビチョビと時間をかけて飲みますので、ずーっとお菓子を食べているダラダラ食べのような状況がうまれてしまいます。
哺乳瓶やマグに、たとえ薄めていても甘い飲み物を入れるのはやめましょう。
入れるのは水かお茶だけにして、徐々にコップで飲めるようにしていきましょう。
100%果汁ジュース、カルピス、ヤクルト、野菜ジュース、スポーツドリンク。
これらはあたかも子供の身体に良いかのように、人気の俳優さんや可愛いキャラクターを利用して巧みに宣伝されています。
しかし、とんでもない量の砂糖を含むこれらの飲み物を摂取するデメリットを上回るほどの健康上のメリットは見当たりません。
「美味しい」という以外に飲む理由がほとんどない飲み物なので、自宅には買い置きせず、お出掛けの時だけにするのが良いのではないでしょうか。
ちなみに、スポーツドリンクは「脱水に良い」というイメージから、日常的に飲ませているご家庭もありそうですが、糖分・電解質を多く含み、腎臓に負担のかかる飲み物です。
イオン飲料を摂取するのは以下のような例外的な時にとどめましょう。
・下痢や嘔吐のときにお医者さんの指示で乳児用経口補水液(OS-1やアクアライト)を飲むとき
・脱水が疑われるとき
ここまでで、ジュース類、ましてや炭酸飲料などは全く飲む必要はなく、特別な時だけのお楽しみで十分、ということはご理解いただけたかと思います。
個人的に、水かお茶の2つのうちでも、圧倒的に水をおすすめしたいのですが、その理由は以下の通りです。
◆理由① こぼしても被害が最小限
赤ちゃんのうちはマグからダラダラこぼしているなんて日常茶飯事。なぜかみんな振りますしね‥。
そんな時、こぼれてしまうのがお茶だと、洋服やカーペットにシミができますし、においもつきます。
もし水なら、たとえ外出先で洋服にこぼしても、ただ乾燥するまで待つという荒業も使えます。笑。
◆理由② お茶を作る手間が省ける
水が苦手で、味のあるお茶でないとダメっていう子、結構いますよね。その場合、地味に面倒な麦茶づくりは一生続く覚悟です‥。
さらに毎日水筒を持っていく時期にいたっては、必ず麦茶をいれなくてはなりません。
麦茶は水よりも傷みやすくて夏場は気を使いますし、ストローなどにも色が付きます。
◆理由③ どこにでもあって、安い
外出先で購入する場合でも、カフェイン無しのお茶がないことがあります。
でも、水は必ず売っていますし、一番安いです。
そして飲食店ならばタダです。
コンビニなどには趣向を凝らした飲み物がたくさんありますが、特別な時のお楽しみにとっておきましょう。
おうちにストックするものは水かお茶と決めてしまえば、管理が楽になりますよ♪
〈参考〉
厚生労働省 「授乳・離乳の支援ガイド」改定に関する研究会
授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)