最近の研究でも、歯磨きだけでは幼児の虫歯を減らすことはできず、食生活の影響がとても大きいことが明らかになっています。
虫歯予防のためだけではなく、全身の健全な発育の観点からも、良い食生活を作っていきたいというのが全ての親の願いだと思います。
しかしながら、実際はジュースやお菓子の摂取がかなり多くなってしまっているのではないでしょうか?
保健所の指導などを通じて正しい知識が皆さまに届けられている一方で、テレビCMでは一見子供の身体に良いかのように、過剰に砂糖が含まれている飲食物が宣伝されている現状があります。
甘いものの食べ過ぎは良くないとは分かっていても、イメージに引きずられる部分は少なからずあるのかもしれません。
今回は、まずはおやつについて、ちょっと誤解がありそうだな‥と小児歯科医として日々感じているポイントを中心にお話ししていきます。
3度の食事では足りない栄養を取るために、幼児におやつを取らせる習慣は広く普及しています。
ただ、おやつ=お菓子をあげることだと捉えてしまっているの方が多いのではないでしょうか?
おやつを間食とよぶように、まさに「間に食べる食事」「第4の食事」と考えてください。
ですので、おやつはお菓子である必要はありません。
むしろ、お菓子類は、カロリーばかりで成長に良い栄養がほとんどないエンプティカロリーと言われるものの一つ。
要するに、全く摂取する必要がないものなのです。
では具体的に何をおやつにあげたら良いのでしょうか?
ずばり、エネルギーを摂取できるもの、おにぎりなどが良いとされています。
お菓子をあげてしまうのは「簡単にあげられる」ことも理由の一つとしてあると思いますので、手間がかかるのものでは長続きしません。
例えば‥
・昨日の残り物(←楽!)
・おにぎり(冷凍の焼きおにぎりだってOK)
・パン(肉まんもいいですね)
・焼き芋
・バナナ
・ミカン
・おせんべい
・チーズ
・ヨーグルト
この辺りまでなら、砂糖控えめのものを選びつつ、あげてもOKなのではないでしょうか。
もちろん野菜スティックや昆布、小魚などをおやつとして加えられたらより良いですね。
・ケーキ
・チョコレート
・クッキー
・ドーナッツ
・アイスクリーム
これらは、やはりカロリーが高くて栄養価が低いものです。
そしてなんせ甘いので、より甘いものを欲しがるようになるきっかけになるでしょう。
ただ、パーティーやお友達の家など、楽しい場面で食べることが多いものなので、全面的に禁止すると少し寂しいかもしれません。
「外出時などの特別な機会」「お友達と一緒に食べるとき」だけと決めておき、家に常備するのはやめておく、というのが良いのではないでしょうか。
一方で、いま食べていないのならば一生与えなくて良いもの、またいま食べてしまっているなら今日から買うのをやめてほしいものは、以下のものたちです。
・ソフトキャンディー
・飴
・ラムネ
・グミ
・ガム
栄養もないですし、必然的に口の中にある時間が長くなります。誤嚥の危険性もあり、幼児であれば当然ですが、小学生・中学生でも全く必要ありません。
子供が甘味を好むのは自然の摂理で、過剰に甘いもの摂取していると、その欲求がよりエスカレートしていくのは当然です。
ジュース・お菓子を好きにさせて、また買って自宅に置いているのは他でもない親自身なのです。
厳しいことを言うようですが、その点をしっかりと自覚して対策をしていかなければ食生活の改善は望めません。
まずは「買わない」こと
これを徹底してみましょう。
お菓子は高いので、買わないことで節約にもなりますし、親のダイエットにも効果的、など色々とメリットがあります。
子供たちはすごく順応性が高いので、親が徹底していればお菓子のない生活にもやがて慣れていきますが、慣れるまでの期間に使えそうなのが、キシリトールなどの代替甘味料を含むおやつです。
100%キシリトール配合のしまじろうのタブレットなど、お腹がゆるくならないように食べ過ぎには注意しながら、補助的に利用してみるのも一つの手でしょう。
日本のお菓子って本当に繊細で美味しいですよね‥。
親もやめられないのに子供だけに禁止するのは辛いとは思いますが、そこは心を鬼にして一緒に頑張っていきましょう。
「たまに食べてもそこまで執着しない」
この状態にもっていければ、ゴールです!!