嫌がる年齢のお子さまの仕上げ磨き、皆さんはどうされていますか?
「歌をうたいながら楽しい雰囲気でやってみましょう♥」
「パパとママも一緒に磨きましょう。そうしたらきっとお子さまも真似してみたくなるはず♪」
こんなこと言われても‥うちは死に物狂いで逃げ回りますけど(泣)という方も多いのではないでしょうか。ではどうすれば良いのか?
今日は仕上げ磨きについてお話ししていきます!
(基本の仕上げ磨きについてはこちらの動画でもご紹介しています)
何歳から何歳まで仕上げ磨きをするのが理想的だと思われますか?
実は、歯ブラシを使わないお口のマッサージを含めると、産まれた時から10歳くらいまで。
まさに丸10年です!
そして嫌がった場合ですが‥嫌がったからと言ってお子さまをお風呂に入れないご家庭はないですよね?歯磨きも同じです。
「どうにかして、やる」
というのが大前提となります。
それでは、時期別に見ていきましょう。
まだ歯が生えていない赤ちゃんがニカッと笑った時に見える歯茎、とってもかわいいですよね!
この時期は授乳やおむつ替えに追われて、大変な毎日だと思いますが、歯が生えてくる前からやっておくと良いことがあります。
それはパパやママが赤ちゃんのお口の中に触ることに慣れておくこと。
そして赤ちゃんも触られることに慣れておくこと。
赤ちゃんのお口の中はとても敏感で、小さくて柔らかいです。パパやママもはじめは恐る恐るかもしれませんが、きれいに洗った手で歯茎をマッサージしてみてください。
そしてほっぺたの内側や舌などをよーく観察してみましょう。
歯が生えて来た時の歯磨きに備えるだけではなく、口の中に症状の出る感染症もたくさんあります。
お口の中を良く観察する習慣をつけておくのは、とても大切なことです。
大体、下の前歯から生えてくることが多いのですが、いよいよ歯磨きのスタートです。
歯磨きとはいっても、最初はガーゼなどでぬぐうことからはじめます。
授乳・ミルク・離乳食などのあとに、ガーゼでお口を拭きますよね?そのときに、お口だけでなく、そのまま歯までぬぐいましょう。
歯を挟み込むようにして、歯茎ごとゴシゴシと磨きます。
添い乳で寝かせることもあるかと思いますが、そのようなときも、深く眠ったタイミングを狙って、なるべくゴシゴシとぬぐってから寝かせるようにしましょう。
上下8本というのはあくまで目安で、歯と歯茎の間、キワのところに汚れが溜まるようになってきたら歯ブラシを使ってみましょう。
はじめての歯ブラシとして、ふわっふわの謎の丸い形のものが売られていたりするのですが、正直に言ってそれでは汚れが落ちません。
マッサージの段階ではなく、仕上げ磨きのステージなのですから、きちんと汚れが落とせる歯ブラシを選びましょう。
以前のおすすめ歯ブラシの記事でご紹介した歯ブラシには、実は2つの硬さがあります。PSという柔らかいタイプが、本当のはじめての歯ブラシにはおすすめです。
では具体的な仕上げ磨きのスタイルはというと‥コレです!
お子さまの頭を大人の両足ではさみ、お子さまの手を大人の足で軽く押さえます。
こんなスタイルですと、押さえつけてかわいそうと思われる方がいるかもしれませんが、決して怒りながら仕上げ磨きをするわけではありません。
あくまで笑顔で「はい、磨くよ!サッとやっちゃうよ~!」と明るく行います。
短時間で安全に仕上げ磨きを行うにはこのスタイルがベストなのです。
そして、歯磨きの技術さえあれば、前歯しかない赤ちゃんの歯磨きは30秒もかかりません。
なだめすかしてやろうとして結局磨けないよりも、サッと確実にやってしまうのがお互い楽ですよ!
ちなみに、良くある膝の上に頭を乗せるスタイルはNG。
お子さまが顎を引いた状態となり、上の歯が全く見えません。
また、歯磨き中に不意に動いてしまうと思わぬ事故につながりかねません。
乳歯の奥歯までしっかり生え揃う頃。
だんだん押さえつけてまでやらなくても出来るようになる日もでてきます。
ここからは親子ともにかなり楽になります。
ただ、歯磨きに慣れるまでの時間は個人差がありますので、焦らずに取り組んでください。
そして、「歯磨きが大変でつらい‥」という場合には、遠慮なく歯医者さんでご相談ください。
歯医者さんで磨いてもらう頻度を増やしたり、食生活の管理を強化したりするなど、負担を軽減する方法はあります。
小学生くらいになれば、自分で磨いておしまい、となってしまっているご家庭もあるのではないでしょうか。
でも考えてみてください。
小学校低学年の手先の器用さで、細かな部分まで歯ブラシを操って汚れを落とせるでしょうか?絶対無理!
この時期、生涯を通して使う一番大切な6歳臼歯が、乳歯の奥歯のさらに奥から、こっそりと生えてきます。
6歳臼歯が生えてきたことにいち早く気づいて、頭を出した瞬間から正しい方法で仕上げ磨きをしてあげられるかどうかが勝負の分かれ目です。
そして、その6歳臼歯がまだ生えきっておらず、他の歯と比べて背が低いため、子供がゴシゴシやっているだけでは歯ブラシが当たらない時期がまさに小学校低学年なのです。
これが10歳まで仕上げ磨きをして欲しいという理由です。
とはいえ、本人にももちろん磨いてもらいましょう♪
例えば、朝は本人に任せてOK。
夜もまずは本人に磨かせて、大人が全体をチェックして永久歯の前歯と奥歯だけは仕上げをする。
そしてフロス。フロスだけは必ずやってあげましょう!
フロスと永久歯の仕上げを合わせても、慣れれば1~2分で終わります。
素直に磨いてくれなくなることもあるこの時期には、電動歯ブラシを導入したり、大き目の歯ブラシを使わせてみたり、色々と試行錯誤をしながら、なんとか磨いてもらいましょう。
そしてたまには寝かせてフロスや仕上げをしてあげてください。汚れが雪のように積もっていることがあります‥。
仕上げ磨きが基本であるのは間違いないのですが、やはりおうちのケアだけでは蓄積した汚れは落とせなくなってきます。(小児歯科医である私の子供でも歯石が付きます!)
ですので、やはり定期的に歯科医院で磨いてもらう必要はあるでしょう。
着色汚れも真っ白ツルツルになりますし、乳幼児期からの小児歯科医との関わりにより、虫歯ゼロの大人になれる可能性がグンと高まります。
そして、仕上げ磨きを楽にする方法はまだまだたくさんあります。
「さんかく歯科」で、お子さまそれぞれに合った磨き方をお伝えできればと思います。