2020 11.27自己紹介

『さんかく歯科』をはじめたきっかけ

私がこどものための歯科医院を作りたいと思った、そのきっかけをお話したいと思います。

 

 

  • 最初にかかることができる歯科医院を

子供の診療は、一般に歯医者さんとしても扱いが難しい分野と考えられています。
そして、中々良い歯医者さんに巡り会えず、お口の中が悲惨な状態になってしまう子がいるのも事実です。
大学病院で診療していた時期、そのような状況になってしまってから大学病院に送られてくるケースをたくさん見てきました。
もっと早く出会って治療をしてあげていればここまで酷くならずに済んだのに・・といつも悔しく思っていました。

 

ではなぜそのような状況になってしまったのでしょうか。
一番の理由は、単純に、子供の歯を治せる歯科医院が少ないということなのだと思います。
小児歯科専門医は全歯科医師の約1%しかおらず、私の住む多摩地域でも、専門的な治療が十分に提供されているとは言えません。
また、泣いてしまうお子さまでも気兼ねなく通える、こどもだけのための歯科医院もありません。

 

こうなったら、自ら真に子供だけの診療に特化した歯科医院を作るしかない、そう思うようになったのです。
はじまりは決してプラスだけの動機ではないのですが、長年感じてきた葛藤が「こどもたちのために!」という想いを強くしてくれたと思っています。

 

 

  • こどものための診療環境を

小さなお子さまが慣れない環境で泣いてしまう・・それはごく自然なことです。
治療を行う上でも、実は泣いてしまうこと自体は何の問題もないのです。

 

ただ、大人の患者さんがいる医院ですと、保護者の方が周りに気を遣ってしまい、
「子供が泣き叫ぶことを迷惑に思われてしまうのではないか」
「泣くくらいなら治療を先延ばしして様子を見た方がいいのではないか」
そんな風に考えてしまうかもしれません。

 

こども達がありのままの姿で、大きな声を出したり、泣いてしまったりしても大丈夫な場所にすること。
そして、保護者の方にも気を揉むことなく受診していただくこと。

「さんかく歯科」をこどもだけのための歯医者さんにすることで、これらのことを実現し、親子ともにリラックスできる環境を作っていきたいと考えています。

 

 

  • 歯科診療を通じて子供たちを見守りたい

歯医者さんの検診に来る子で具合の悪い子はいません。
また、歯科の一回の受診時間はわりと長めです。
普段通りの元気いっぱいのお子さまと、ゆっくり触れ合うことができるのが小児歯科です。

 

そして、歯が生え始める0歳の頃から永久歯が生え揃うまで続く、長いお付き合い。
小児歯科は乳幼時期から思春期まで、子供達の成長を全て見届けることができる特別な分野なのです。

 

歯科も、虫歯の詰めものを専門とする科、根の治療を専門とする科、入れ歯を専門とする科など、実は細かく専門が分かれています。
ですが、小児歯科では、子供に関するそれらの全ての治療を行います。

 

全く歯のない赤ちゃんに乳歯が生えて、それが全て生え変わって大人の歯が生え揃う。
お口の中だけでもダイナミックな変化が起こる時期ですが、治療を受ける子供の振る舞いや生活習慣も年齢によって全く異なります。
このように、むずかしい年齢の子供への対応を含めて、全ての年齢の子供たちに包括的で高度な治療を提供する、ということも小児歯科の特徴の一つです。

 

私にできることは、小児歯科専門医としての治療を通じて、子供たちの成長を見守ることです。
子供の治療は大変ではありますが、それ以上にやりがいがあり、何よりどの年齢の子も純粋に可愛いなぁ‥と思うのです。
最善の治療を誠実に行い、地域の皆さまに信頼していだだける医院となれるように努めて参ります。

 

 

  • まとめ

『さんかく歯科』を開いた動機を率直に書いてみました。

実際の診療では、お子さま、保護者、歯科医ともに様々な困難に直面することもあります。
でも、三者が協力し合うことで、無理なく困難を乗り越えることができる、そんな歯科医院でありたいと思っています。

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